409. 糖質制限への道(9)      2015.12.11

 

        ワールブルグ効果とは

 

  ランチの会の皆様          千葉県の米翁宙悠です。

 「がん」を知る上で基本的な、そして、当然知っていなければならないワールブルグ効果について分かりやすい文章をご紹介します。
   
がん細胞のエネルギー産生の特徴: ワールブルグ効果とは

 

 約80年以上も前(1926年)に、オットー・ワールブルグ(Otto Warburg)博士は、がん細胞ではミトコンドリアにおける酸化的リン酸化によるエネルギー産生が低し、細胞質における嫌気性解糖系を介したエネルギー産生が増加していることを発見しました。これをワールブルグ効果と言います。ワールブルグ博士は呼吸酵素(チトクローム)の発見で1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。細胞生物学や生化学の領域で、重大な基礎的発見を次々に成し遂げ、呼吸酵素以外の研究でも何回もノーベル賞候補になった偉大な科学者です。

 

そのワールブルグ博士が最も力を注いだのが、がん細胞のエネルギー代謝の研究です。
 がん細胞の異常な増殖を解明するためには、エネルギー生成の反応系を研究しなければならないということから、呼吸酵素を発見しています。

 

そして

1)がん細胞ではグルコースから大量の乳酸を作っていること。
2)がん細胞は酸素が無い状態でもエネルギーを産生できること。
3)がん細胞は酸素が十分に存在する状態でも、酸素を使わない方法(嫌気性解糖系) でエネルギーを産生することを見つけています。
 
 しかし、がん細胞における嫌気性解糖系の亢進(ワールブルグ効果)はがんの原因ではなく、酸素欠乏状態にある結果として仕方なくそうなるのだという意見が主流で、最近まであまり重視されていませんでした。
 
 ところが最近、このワールブルグ効果は単なる酸素欠乏の結果ではなく、がん発生のメカニズムにおいて重要な現象であると認識されるようになりました。

すなわち、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化を抑制するとアポトーシスを起こしにくくなるDNAや脂肪など細胞の成分を作るためにグルコースの取込みと解糖系を促進する必要があるなど、ワールブルグ効果はがん細胞の増殖を維持するために必然的な現象だ考えられるようになっています。

 

 

    以上 (出典:福田一典医師のホームページより)
 

<米翁の所感>

上記の内容を難しく感じる方もいらっしゃると思いますが、「がん」というものを知るための第1歩であり、現代がん医学の方法に幻滅を感じられる方も、なぜ、ゲルソン療法が末期からの生還を可能にしているのか、また、生還が100%に届かないのはなぜなのか、少しでも100%に近づけるためには、どうしたらいいかを考える上でやはり、現代医学の疫学的調査の理由づけ、臨床試験の結果を考察する時の基礎知識としてのほんの最初の知識が、このワールブルグ効果だと私は思います。
 
今私は、食材や薬剤やサプリメント、抗がん剤が、なぜある程度の効果があるのか、その仕組みなどを勉強していますが、 それを支えるバックボーンがワールブルグ効果とその周辺の理論です。勿論未だうろうろしていますが。でも勉強すればするほどのめり込んでいきそうです。

 

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