403.糖質制限への道(その3) 2013.8.27
糖質制限食の考察と反省
ランチの会の皆様 今日は糖質制限について、勉強したことをまとめる共に、この問題については一時的に撤退します。歳を取り過ぎていて人体実験には危険すぎるのと、医師の協力がなければ、検証すべき事柄が検証できないからです。
(実際は1年後に再開しました)
その代り、糖質制限をなされている方、中鎖脂肪ケトン食に興味がある方のために、私にとっての疑問点や分かったことを簡単に記します。
皆さんもご存じのとおり、糖質制限食は日本では約10年位前から糖尿病の一部の病院で取り入れられ、その後ダイエット本でブレークし、去年の8月30日のNHKのクローズアップ現代で内容と問題点が放映され、また、今年の1月26日の朝日新聞夕刊に5年以上の糖質制限食を続けると死亡率が高まるとの研究が報道され話題になりました。
世界的にも欧米での研究・調査も盛んで、いろいろとその弊害も報道されるようになり、元々は糖尿病の患者さんのための療法でしたが、癌細胞の増殖のためのがんの「えさ」として通常細胞の6倍以上必要とするそのブドウ糖を遮断するために糖質を極端に制限して癌細胞を兵糧攻めにて死滅させ、正常細胞はブドウ糖に代って産出されるケトン体で生命維持を行うという一見シンプルな方法でがん治療への応用が銀座東京クリニック医院長の福田一典医師によって紹介されたことは以前のメールで述べました。
しかし、制限する糖質は1日40グラム以下、厳しくは20g以下であり、玄米等の主食は無理で、野菜も500g食べれば、糖質は40gになってしまいます。にんじんジュース500cc飲むと糖質は50グラム、りんご1個で30グラム、トマト1個で8g等々で厳しい数字が並びます。(全ておおよその値です。)
最初からこれでは無理なので 糖質180g位からと取り掛かりました。これでカロリーは720カロリーです。 あと少なくても1100カロリーは必要です。タンパク質は大豆製品の納豆、豆腐、豆乳、魚、卵、鶏肉のささみぐらいしか食べられないので、日替わりに食べて野菜からのも含めてせいぜい130gで520カロリー、あとは脂質で65g(580カロリー)必要です。 脂質は卵、魚で20g、ドレッシングの亜麻仁油で8g、あと中鎖脂肪酸マクトンオイルで30グラム、その他で7gで計65gで585カロリーでなんとか1800カロリーにはなりましたが、糖質40グラム以下は、素人単独ではとても無理と判断、糖質140gにした3か月目で断念しました。
通常の食事をすると、食事から得たブドウ糖は3~4時間で消費され、補給が無ければ、肝臓と骨格筋からグリコーゲンが分離されますがこれも12~13時間で枯渇します。ですから血中のブドウ糖が無くなるのが15~16時間後で、ケトン体が作られるのは、その後5時間後(計20時間後)とのことなので、1日一食の昼食に玄米食を食し、朝に人参ジュースを飲んでいればではケトン体は作られないのではないかと判断しました。一方肝臓における糖新生は数日の絶食の様な厳しい時のみにしかつくられないようです。
高脂質はがん患者にはよくないのではないかという考えが抜けきらず、低糖食と高タンパク質食だと、死亡率が一般食の人に比べて23%上昇しますが低糖食と低タンパク質食だと死亡率が20%低下するとの研究(ハーバート大学)はゲルソン食を評価することになりますが、カロリーを確保するために脂質を80gとか100g摂取するには二の足を踏みました。
いずれにしても糖質制限食も中鎖脂肪ケトン食も精通した医師のもとで行うべきだとの結論にいたりました。低血糖はがんの発生を促すという研究もあるとのことです。ただ私の場合は朝食抜きの午前中の血液検査でも血中の血糖値は正常範囲の中に入っていて、最後の糖を摂取後20時間後でも血糖値は90㎎/dlなので少しぐらい糖質制限しても血中のブドウ糖の量は変わらないのかなと拍子抜けした部分もありました。
以上のメールの内容の専門的なところは下記の①②③によります。ただ書いてあることが正反対のところもあつて迷うところもあります。
参考文献
①「ブドウ糖を絶てばがん細胞は死滅する」 福田一典医師
②「本当は怖い「糖質制限」〕 岡本卓医師
③「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」 江部康二医師