(1)  カリウムとナトリウム
  
  ランチの会にメンバーでは、ほぼ9割の方が星野・ゲルソン食事療法又は済陽式 食事療法に沿って、新鮮な有機栽培の食材を日々調達していると思います。
  ですから、大量のニンジンジュース、野菜ジュース、生野菜サラダ、煮野菜、ヒポクラテススープ、フィトケミカルスープなどにより、ふんだんに24時間、カリウムを体内に取り入れ、がん患者の細胞内で逆転しているK / Na比を正常化し、同時にがん細胞から大量に出る乳酸と水素イオンにより、酸性化された体を弱アルカリに戻して、がん細胞の増殖の勢いを削ぎ、増殖を停止させ、縮小させる努力をされていると思います。
 がんは酸性の環境では増殖の勢いは増しますが、アルカリ性の環境では活性は不活発になります。さらにがん細胞は酸素がある状態でも解糖系を使いエネルギーを産生し大量の乳酸をがん細胞の周りにまき散らして酸性化し、増殖しやすい環境を自ら作り出していきます。ですからそれに負けないためには、如何に体を弱アルカリ性に戻し維持するか、細胞内をカリウムで満ち満ちにすることができるかが自分の生存を確かなものにするための第一の指標になるべきものと思います。

 私は済陽式食事療法をベースに1日の糖質摂取量を40g以下の糖質制限をしていますので、食材には苦労しています。糖質制限食の常連の牛肉、豚肉、羊肉は避けなければなりません。牛乳、チーズもヨーグルトもNGですこの辺はランチの会の食事の制限と同じですが、なにしろ糖質を40g以下ですから、もちろん主食のコメ、パン、そば、うどん、イモ類、等の糖質の多いものを摂ることができませんから、どうやって1800カロリーをゲットするか、たんぱく質、ビタミン・ミネラルを満遍なく摂取できるか、食物繊維、フィトケミカルを十分にとれるかが重要な課題になります。
 特に、良質のたんぱく質とがんにやさしい脂質をいかに必要量摂取するかが日々予算とにらめっこしながらの調達活動になります。
 そしてさらに食材の範囲の狭さから、どうしても毎回同じような食材にならざるを得ないというジレンマがあります。昼食は仕事をしながらの買い物、男料理ですからさらにおおざっぱになります。家内と娘は夕食は作ってくれますが、夜9時過ぎの私の食事は超軽めの食事です。毎回決まって湯豆腐、煮卵に煮野菜少々だけです。

それにさしみがつくこともあります。煮魚や鶏の胸肉やささみの煮たものや油いためのような重いものはそのまま朝食に回ります。忙しいときも外食は絶対的に無理なので、冷蔵庫にあるもので済ましてしまうこともしばしばです。
 そしてNaをできるだけ少なく、Kをできるだけたくさん摂り、尿中のK / Na 比を今は一桁の小さい値なので、少なくともその比を8~10位にしたいと思っていますが、私の食材では塩分は4~6gはありそうです。


 ニンジンジュースは糖分が多いので、糖質制限食ではそれは無理筋の食材です。

そこで、次の作戦を立てました。
(1) 糖質が少なくカリウムが多い野菜を選んでジュース1ℓを作り毎日飲む。
(2) フィトケミカルスープやヒポクラテスジュースを強化して、飲む量もする。 糖質測定器を用いて糖質の量も監視する。

(3) カリウムのサプリメントも考慮する。(食事で十分に作れない時)
(4) 岩盤浴、日光浴、散歩で汗を流し、塩分を汗ともに体外に。
(5) 魚料理や、貝料理、海藻もかなりの量を毎日摂るので、

 食塩は心ならずかなり多く体内に入ることになる。

 

 これを次の方法で、速やかに体外に排出する。


① 上記の(1)~(3)により血液中をカリウムで満ち満ちにして、血中のナトウム 結合させて腎臓より尿として体外にどんどん排泄させる。
② アルギン酸を活用する。

 アルギン酸とは食物繊維のひとつで昆布やわかめ、ひじき、もずくなど海藻のでカリウムとくっついて含 まれています。

 胃に入 ると胃酸によりアルギン酸とカリウムに分離され、小腸に達するとカリムは 体内に吸収され、アルギン酸は小腸に多くあるナトリウムと結合します。そして体内に ほとんど吸収されることなくナトリウムとともに体外に排出されます。

     

 ナトリウムとカリウムを語る時、現代以前では人類の歴史の大部分での人の 食事を考えねばならないと思います。
 日本においては、縄文時代を含めてそれ以前の食事は味付けのない木の実や野草、甘くない果物がほとんどで、魚、貝、海藻なども味付けなしでした。体は このようなカリウムの多い食環境に適応するように進化し、腎臓は余分なカリウムだけを尿に排泄する機能を持ったのでしょう。
Naは50年前ぐらいまでは人体にとって貴重な存在であったと思われます。
 ところが現在の食事はこのミネラルバランスが逆転しています。でも、腎臓には余分 なNaのみを排出する機能はなく、必ずカリウムが一緒でなければ排出できません。
 ですから、現代人は十分なカリウムを摂取し続けなければ、余分なNaが排出されず 生活習慣病になる確率が高くなりわけです。「がん」からの脱出もしかりです。


ただ、最後に付け加えたいことがあります。それがいいからと言って無理をしストレスになってしまっては逆効果です。私は「言うこと」や「書く内容」は結構きついことを 言っているなと思われがちですが、実際は結構ちゃらんぽらんでいい加減なところも 結構あります。緩みすぎて慌てて戻すことも常です。

 要は自分で考えること、そして 自分に合うように微調整を繰り返しながら長続きさせることだと思います。
 そして、常に体調の良し悪しを感じながら、自分で計測できるものは自分で計測し、エコーや胃カメラなどは定期的に決まった医師に診てもらい、異変を見逃さないようにすることだと思います。
検査が終わったら気楽に何もなかったよと言っておおらかに過ごせるといいですね。
 そうそう明日は半年ごとの腹部エコーと胃カメラの日でした。(2016.6.2)

 

 6月3日病院から帰ってきたところです。血液検査、内臓エコー検査、胃カメラ検査全て異常なしに内心ほっとしているのが本当の気持ちです。胃カメラの検査は半年ぶりと思い込んでいましたが、1年ぶりでした。

 

 COX2阻害剤1日200mgとアスコルビン酸原末を1日25グラム取り続けて3ヶ月、胃に異常は感じていませんでしたが、内心荒れているかなと気にしていました。

 アスコルビン酸は500ccの水に7グラムと溶かして日に1.5ℓと水に溶かすことと、すきっ腹には直接飲まないようには気おつけ、COX2阻害剤は副作用もあるので、1年服用したら半年休むという風に使用しています。

 

 最後に食材の中でカリウムの多いものを海藻、果物、野菜のそれぞれの中で主なものとその含有量を示します。

 

 ①海藻(100g当たりの成分量)

  刻み昆布   8200 mg 、乾燥わかめ    7400 mg 、

       がごめ昆布  5700 mg  、利尻昆布   5300 mg 、

  とろろこんぶ 4800mg 、 岩のり       4500 mg 

        ひじき    4400 mg 、焼きのり   2400mg 、

  もずく       2 mg

 

  

     ②果物(可食部100g当たり)

    アボガド  720 mg    、   バナナ  360 mg      

    路地メロン  350 mg   

                       

     ③野菜 

       干しずいき(乾) 10000 mg        パセリ      1000 mg 

   納豆                        700mg 、モロヘイヤ  530 mg        

      明日葉                540 mg        キウイ           290 mg

 

     ④肉

        鶏ささみ       420 mg           鶏むね肉 350mg 

 

 一般にカリウムの目安摂取量は男性2500で mg、女性で2000 mgですが、ゲルソン療法では1日どの位摂取するのでしょうか。腎臓の悪い方は無理はできないと思いますが、その辺の指導はどうなのでしょうか。

 

 最後にカリウムを錠剤で補給するときには、注意が必要です。

急にカリウムの血中濃度が上昇すると細胞のカリウムーナトリウポンプの機能に障害が発生することがあり、特に心臓の鼓動に大きな影響があると心停止の可能性もあるとのことですので、医師の指導が必要です。

 食物から摂る場合は、普通に摂る場合には、障害は起こりません。江戸時代の東北地方の大飢饉で何十万人もの人が餓死しましたけれど、相当数の人が草木の葉や根を大量に食してカリウム中毒で死んだとされています。しかし、上杉家では梅干を村に配って餓死者を出さなかったと言われています。