301. ビタミンCと私(その1)        2016.3.17

 

     皆様       米翁です。
 これから10回位に分けてビタミンCのお話をいたします。

メール内容のバックボーンには次の2冊の本がもとになっています。

  (1) 「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」生田哲著 講談社

     (2) 「超高濃度ビタミンC点滴療法」 健康増進クリニック 水上院長

 

 以前にもこのメーリングや個人メールで、ビタミンCへの関心が高い人が少なからずいらっしゃると感じておりますので、まずは読み物として読んで「ほんとかなー、大丈夫かな心配だなあ、でも一理ありそうだなー」と思って頂ければ嬉しいです。

 最初に今年の3月からの私のビタミンCの実験再開のお話。私のビタミンC(アスコルビン酸原末)との付き合いは40年以上前に遡ります(ちょうどビタミンCの風邪への薬効が否定されている頃です。)

 当時は1日朝1回1gで、風邪かなと思った時に日に3回計3g程度でした。それから40年ほぼ欠かさず健康維持のためビタミンEと共に飲み続けてきました。4年前70歳の時、前立腺がん告知後の時も最初の1年間は1日6g止まりでした。
 今回の実験は、毎日起床時にビタミンCの粉末(原末)を1g水に溶かし飲み込むと、1時間毎に1g、日に18回18g飲みます。  国の標準推奨量が100㎎ですから、180倍の量です。
 
なぜ急に?との疑問がでますよね。それはおいおいお話します。
 なぜ1時間おきに飲むのかって、それはこうです。
 (成人男子60キロの健康人で話を進めます。)
 普通の健康な成人の血中濃度は普通の状態で1.2mg/dl で、1gを飲んでも2時間後のピーク時に2倍の2.4mg/dlになりますが、4時間後には元に戻ってしまいます。
 ところが1時間ごとに飲んでいると、1日中3倍の3.9mg/dlの状態がずっと続くのです。 そして、それが続くと、体中の組織にそれぞれの必要量のビタミンCが満ち溢れると、腸管でのビタミンCの吸収はストップして、余分なビタミンCは水分と一緒に下痢として排泄されます。これが全身にビタミンCが満ち満ちたサインとなります。
 一般には200㎎以上ビタミンCを飲んでも尿として排泄されてしまうから、それ以上のビタミンCは無駄だというのが、通説でした。今でもほとんどの人が、医者でもそういう方が多いです。
 通常、生体に有用な物質は腎臓に存在する再吸収ポンプで回収され体内の巡回ルートに戻ります。ところで、60㎎までのビタミンC100%回収されますが、100㎎だと1020%尿に排泄され、1gだと25%、6gだと74%も排泄されてしまいます。

 これは大量のビタミンCを処理する際、腎臓の再回収ポンプがその能力を超えてしまうからです。 ですから、一度に大量のビタミンCを摂るのではなく、小分けにして摂れば血中濃度は通常濃度の3倍は保たれるとのことです。これで、風邪の予防、がんの予防、血管病の予防にはなるようです。

 考えてみれば、体内でビタミンCが合成できないのは、植物界、動物界の中で、サルとヒトとモルモットだけで、他の生物は皆合成能力を持っています。
 そして、例えばヤギは通常1日10g前後のビタミンCを作っています。そして、病気になると70~80gのビタミンCを生産しています(この数字は60㎏の成人男子に換算しての数字です。) 他の動物に関しても同じ傾向です。

 ヒトも含めた類人猿の共通の祖先の進化の初期過程において(2000万年前ともいわれています)ビタミンCを作る最終段階の遺伝子に突然変異が起きてビタミンCの生産ができなくなったとの説が有力です。
 現在の野生のゴリラも1万年以上昔の原始時代のヒトも植物から1日5g程度のビタミンCを摂っていました。こういうレベルでみると、現代人は慢性的なビタミンC欠乏症になっていることになります。
   ビタミンCは壊血病の予防、抗酸化物質、風邪の予防なので一般的に知られていますが、がん予防、がん再発の予防、細胞を健康的にしっかりと結び付けるコラーゲンの生成にはなくてはならない要素です。

 
ビタミンCにはその他40種類の役目があり、人以外の動物は1日10g前後のビタミンCを生産して、生体を守り、病気になるとその10倍以上のビタミンを生産するとても微量栄養素とは言えない量の必須栄養素だと私は思っています。ヒトは体内でビタミンCは作れませんから、食物から摂取する必要があるわけです
 ビタミンCが集中的にストックされる臓器は脳、白血球、肝臓、腎臓、眼球など命にかかわる大事な部分に集まります。
 病気も含めたストレスがかかると大量のビタミンC消費されますので、例えばがん患者の血中濃度は健康人の半分といわれています。

 次は302.ビタミンCと私(その2)です。