なぜ私がブドウ糖にこだわるのか(その4) 2015.5.15
ブドウ糖の問題に取り組んだ、このシリーズも今回が最終回となりました。 ぶどう糖は人体に欠かせない栄養素です。しかし本当に外からの摂取必要量はどのくらいなのでしょうか。
現代の摂取カロリーの65%を炭水化物から摂りなさいという指導は正しいのでしようか。
グリコーゲンやでんぷんなどは消化管で消化酵素で単糖類のぶどう糖か果糖に分解されますね。 ブドウ糖と果糖の結合した二糖類の砂糖も同じです。多少他の栄養素がくっついた黒糖も同じです。必須アミノ酸とか、必須脂肪酸とかのように必須がついていないということは、人体には外から摂取しなくても大丈夫という事なのでしょうか。
血液中にブドウ糖が無くなったら、血中のアミノ酸からぶどう糖が作られて脳へ送られ、他の臓器は脂肪を燃やして、活動を維持していくんですね。
アミノ酸が枯渇したら脂肪を燃やしてエネルギーを得ますが、脂肪からはブドウ糖は転換されませんが、かわりにケトン体が産生され、脳のエネルギーになります。ただし体がケトンモードになると体も脳も活動量は落ちるようです。(最近これを否定する本が何冊か出版されています)
ですから1万年以上前の原始人たちは現代人のような文明は生み出すことはできなかったのでしようか。何十万年も同じレベルの石器が使われ続けてきたのを見て考えられる説ですが、これも最近、6から9万年前に人類に突然変異した頭脳を持った一群が出現したとの説が有力になりつつあります。
一方、人体の消化管の構造は肉食動物のそれに近いということです。
動物は昆虫にいたるどんな種類の動物でも、植物のセルロースは消化できません。 牛の胃は4つあることはよく知られていますね。3つはそれぞれの役目を持ったバクテリアが棲みつきセルロースを消化し、その他タンパク質脂肪、ビタミン・ミネラルを作り出しそれを何回も繰り返し反芻し、最後の4つ目の胃で牛自身の体に合うように消化し腸で吸収するそうです。
馬とゴリラは構造は牛とはかなり違い、小腸の終わりの方にセルロースを消化するバクテリアの棲むところがあるそうです。牛も馬もゴリラも植物だけを食してあの立派な体を造っているのはまさしくバクテリアとの共生があるからなのです。
人間はたぶん雑食として生き延びてきたのでしょう。消化管が肉食動物と同じ構造です。
たしかに人間は、良質なぶどう糖をふんだんに食することができる技術を手に入れることができ、高度な文明、快適な生活を手に入れることができました。寿命も大幅にのびました。
でもこのバンドラの箱を開けてしまったことはたくさんの問題を人間界、自然界にばらまいてしまったのです。
今、人口は73億人くらいでしょうか。毎年1億人づつ増えていきます。これは異常です。
人間にとって快適な環境は他の生物にはめちゃくちゃに迷惑というより生存を否定されています。
そして2年前にも書きましたが食料の増産は頭打ちです。地下水の枯渇、耕作可能表土の衰えなどなどでこれから国家間で食料の奪い合いも起こるかもしれません。
地球温暖化の問題では二酸化炭素よりもつと強力な海底メタンハイドレードをエネルギーにしようとする計画が報道されています。
これが解放されると、温暖化は二酸化炭素の比ではありません。10数倍の威力で温暖化します。私が地球物理を研究していたころ、温暖化でシベリアの凍土にしまわれているメタンが放出されることへの心配が真剣に討議されました。
メタンは二酸化炭素と違い、燃やさなくても自然に空中に拡散していきます。
専門的すぎました。暗い話はみなさんの病気に悪いので、この辺でやめます。 ただ一つ言えることは、地球規模で進む自然の動きは、人間がどうあがいたところで変えられることはできません。地球は今まで3回の全球凍結を含めて8回の85~95%の生命体の絶滅を経験しています。しかし、それを人間の手で助長させてはいけません。
自然と会話し、自然を愛で、自然と調和して生きた日本、アジアの先人
たちに見習って、自然に感謝し、友を大事にし、家族を大切にして
ゆったりと生きて行けば私たちの病気も、静かにしてくれると思います。
今回も結論はありません。問題提起で終わりました。